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うさこにっき

生活クラブのsnsクミーズ、2007年から2013年までのブログ記事。

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2010/08/28
『LSD-兄ケビンのこと』
大学にいってからまったく帰ってこなかった優秀な兄がやっと家に帰ってくると喜ぶ家族。けれど、兄はいままでと違っていた・・・
1960年代アメリカの話。
けれども、今の若者の状況は、
もしかしてこれと同じくらいよくないのかもしれないとも思う。
敬愛する兄に要求がいろいろとありながらも、とことんつきあう
16歳の弟の日記の形で書かれている。

大人に知られず、薬物中毒の兄をどうするのかで話しは進むのだけれど、
実は兄が薬物中毒になるきっかけの話にまでなっている。
保健の先生の話では、今の日本でもふつうに薬物は手に入るそうだけれど、
薬物に頼らなくても、いじめにひきこもりなど、
生きるのに苦しい状況はどこにでもある。
映画のスターのまねをするとか、ほほえましいエピソードには
なんか昔を感じた。。


『ベルト』
仕事をしている両親と、ピアニストを目指す姉、
優秀で人気者の弟エレズと理想的な家族。
しかし産休のため、担任がルティに変わったときに、
なにかに気づかれたような・・・

虐待される子どもの気持ちが、ずっと書かれている。
こんなひどい目にあうのはおかしい。
けれど家族からも助けてもらえないのだから、当然なのかも。
ほかの人に助けて欲しいけれど、どうしたらこれを信じてもらえるのか。
信じてもらえたところで、どうやって助けてもらえるのか。
本の中でも、傷を見せても、信じてもらえない状況まで書かれていた。

さらに親からの虐待の場合、
ただ親に説教したり、子どもを引き離せばすむという問題でもない。
家族として、その後も暮らしていけるようにするためには、
細心の注意を払わなければならない。
この本では家族カウンセリングを受けることで、
解決に進むのだけれど、実際はもっともっと難しいだろう。

エレズのほか、姉・ネタア、友達のシリィ、シャガイ、
聞きなれない名前はどこの国かと言うとイスラエル。
虐待の問題は、日本だけではないんだ。

『ソルジャー・マム』
11歳のジャスミンがバスケットボールのチームリーダーに選ばれた夏、
ママがイラクに召集されることになった。
母子家庭で、1歳の弟アンドリューとジャスミンを置いて。
ママのボーイフレンドでアンドリューの父親のジェイクと家に来てくれたけれど・・・

ふだんは体を鍛える訓練をして、定時に行って帰るだけの
軍の登録兵士は、招集がかかれば、拒否できない。
拒否したら、罰金があるのだから。
そして、軍は、家族のことなど考えてくれない。
集合の日時をしてくるだけなのだ。
母子家庭でも、歯が生えていない赤ちゃんがいても、
なにをおいても、他国へ行くことだけが要求される。

戦争のときに、男の人たちが出て行き、今までは女の人が残っていたけれど、
女の人が家を出て行くときには、残された人たちは、
日常生活から大変なのが書かれている。
ジェイクの場合は、30歳でも、定職はないし、
仕事帰りに飲みにいくし、一緒に暮らしていなかったのだから、
子どもたちがどんな生活をしているのかも、まったくわからない。
女の子だったら(だった人も)
ジャスミンといっしょに、くやしくて悲しい思いを何度もして、
神様のように仕事と家事をこなして自分のことも考えてくれたママが、
どうして自分をおいていかなければならないのかと、
ママの身を案じながら思うことだろう。

自分の言い分しか言わなかったジャスミンとジェイクは、
ママの不在で成長するが、
これはママが帰ってきたから、よかったですむ話になる。
実際には、それ以降、湾岸戦争になったのだから。
子どもは子どもでいる権利が絶対に保障されなければならないと思う。


『乙女の密告』
芥川賞受賞なのだけれど、ハードな子どもの話を読んだあとに、
こんな話しを読むと、なんだかなあ・・・と思ってしまう。
乙女はバカの代名詞なのか?
ドイツ語を話すために、大学生の設定になっているけれど、
中高生じゃなくて、これで大学生なのね。
一昔前の少女マンガの世界。
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