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うさこにっき

生活クラブのsnsクミーズ、2007年から2013年までのブログ記事。

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2011/06/06
女の子榊田
農業ジャーナリストで、今は埼玉の組合員。今回の震災で、安心してー寝られる場所、食べられるもの、使えるエネルギー、受けられる医療ーと生存にかかわることの重要性をみんなが考えさせられたことと思う。

男の子小野寺
自分が生まれ育った時代は、国を挙げて食料を増産する時代だった。それが農業の大規模化による人余り、減反、転作、いろいろなことが変わっていく中で、明治・戦後の農業の大転換があったように、今回の震災がきっかけになり、天災・人災・外圧と、大転換の時なのだと思う。

男の子菅原 
共同開発米部会は、遊佐1000人の生産者のうち、500人が部会の人。鳥海山から日光川、月光川が遊佐町を流れて日本海に流れ出る。遊佐の町だけを通るので、水を汚さないように石けん運動などもしている。30~40年たってでてくると言われている伏流水があちこちからでている水の豊かな町。

女の子榊田
登録米について93年の不作の時を含めて経緯をお願いします。

男の子小野寺
米を増産していたころは価格もどんどん上がった。70年頃から米が余ってきたところに、生活クラブとの提携が3000俵から始まった。国の食管法があり、それ以外は、闇ルート、亜流と呼ばれていた時代。
冷害の93年、gatt(ガット)の締結―自由貿易の推進、さらに95年にはwto世界貿易機関の設立、輸入米が入ってきた。

冷害により、米はどこもなく、生活クラブと春に決めた価格よりずっと高い値段で買いに来る。
しかし約束したことは守ろうと決めた。
食管法で捕まらないか、ということよりも、遊佐の生産者が高い価格でよそに出さないかが心配だったが、生活クラブとの約束は守った。
このことにより、農家の決意と、生活クラブとの信頼関係が確認された。
そしてこういう天災などに備えての保証制度を作り、登録米制度ができた。
個人的には愛の確認制度とか、愛の契制度と思っている。

女の子榊田
ガットとは、94年に締結された、自由貿易に関する条約。アメリカは自由化して日本にも迫っていたが、日本の米は100%自給だった。それが米がなくなったことでパニックになり、食管法への批判になり締結につながった。
産地にとって、登録米の意味とは?

男の子菅原
開発米基金とは、冷害などの自然災害に生産者の所得を支えるために、生産者、生活クラブともそれぞれが基金を積み立てている。
農家の米の販売方法は4つある。
・農協に売るー日本の米の3割 あとの7割の流れは実は誰もつかめていない
・自分で売るー生産者にとっては大変なエネルギーを使う。
  儲けも大きいかもしれないがリスクも大。
・民間業者に売る
・生協に売るー生活クラブとは45年続いている。
菅原さんは、20歳からササニシキを作り生活クラブと提携している。
開発米部会は、生産者と消費者が一緒に作っていく部会で、生産者は生産者の考える農業を確立していくことができ、消費者もまた、消費者の考えを反映することができる。
登録をすることにより、これだけの量を食べてもらえる、
収入の見通しもつくことによる安心感ができる。
この安心感により、これからの農業に対する実験ができる。米の作り方や、新しい品種の導入など。売ることを考えるエネルギーを使われない分、自分たちの進む道にエネルギーを注ぐことができるのではないか。

女の子榊田
未来へ向けた取り組みは何があるのか

男の子菅原
「世界に6割の食糧を依存している国の農家」を脱却していきたい。
資源を持たない日本でできる持続可能な農業とは何か。
山形遊佐を外から、世界から見てみると?
肥料・農薬も化石燃料に依存している。
小さな循環を作りたい。それを遊佐の中で回していく。
生活クラブとは大きな循環になっていく。

たとえば肥料「ゆざづくし」大豆、菜種、米ぬか、油粕と8割が遊佐産、鶏糞は提携生産者の鹿沼グリーンファームより無償で提供。
遊佐で作り、遊佐で使い、遊佐に戻す実験取組。
ペレット状で生産者にとっては、化学肥料より使いづらいので改良が必要だが、現在1000袋を増やしていき、肥料も販売できるとよい。

昔は化学肥料が安かったが、有機肥料と化学肥料の値段が今では接近している。
資源がないのだから、日本で循環していくしかない。
消費者にとっての安全な農業を目指すからではなく、農家が生きていくための取り組みである。

女の子榊田
窒素、リン酸、カリが植物に必要というが、リン酸は高いだけじゃなく、手に入らなくなると言われている。
登録による経営の見通しがつくという話だったが、
家畜の飼料も自給率は1割もない状況のなか、飼料米プロジェクトについては?

男の子小野寺
一つ目に。食料にたいして日本の人口はずっと調整されてきた。
楢山節考や水子など。
食料がないことによる日本の移民政策は、ハワイ、ブラジル、満州、昭和のドミニカが最後となった。
以前は中国に食料があるといわれていたが、今は中国は食生活が変わったために輸入国となり、日本では震災により、宮城や福島の農地が使えない状況がある。
温暖化の影響で遊佐でもみかんがなるくらいで、コシヒカリの産地も北に移り、南で作れなくなっている。エネルギーも食料も危ない状況。

二つ目に。豚肉1キロの肉を作るためのエネルギーは9キロカロリー、牛肉1キロを作るためには15キロカロリーのエサが必要。
しかしほとんどを輸入していて、もしエサがなくなったらどうなるのか。
減反により、田んぼがあいているために、始まった飼料米だが、
豚にコメを食べさせるなんて、邪道だ、ご先祖様に申し訳がないと初めは言われていた。

飼料米は自給率を上げるための、男のロマンと言っている。
男のロマンは国のロマンとなり、平田牧場の飼料となった。
昔は一つの家の中で循環していて、田んぼを作り、畑を作り、豚を飼っていた、これを地域型循環農業に広げた。
畜産を遊佐の中で山側にしたら水が汚れるなどが出たので、考えていかなくてはならないが、日本の中の循環型農業にまでできたら。


女の子榊田
世界ではトウモロコシの価格が上がり、今はコメの価格も上がっている。
世界では国境を越えて農地を持とうとする動きもある。
米は、勝手に売るなから、自己責任で売れ、という変遷があった。
登録米目標10万俵であるが、価格が下がっている状況があることについては?

男の子菅原
米の価格は、遊佐と生活クラブの話し合いによりきめていく。
生産原価保障方式だが、市場価格が下がると、遊佐も連動して下がる。
ここしばらくは、玄米1俵16200円で、3成分米の実験リスク分はこの中から、1000円から2000円となっている。

3成分米は100ヘクタールを目指している。
実験面積がが少ないと、まわりが農薬の影響など成果がわからない。
農家はふつうは生活がかかっているので、実験どころではない。

8成分米を始める時に、遊び心でと言ってしまった失敗があった。
遊んで農業しているわけではない。
しかし説明を続けていくうちに、今まで病気予防で農薬を使ってきたが、農薬を整理していくんだねと理解が得られてきた。
遊佐プロジェクトとして、どうまで農薬が減らせるのか。
持続可能な農業をするためには、どうしてもそこに入っていくしかない。

10万俵食べきってもらって安心していたが、
最近では食べきれないかもの声が聞こえることもある。
遊佐は米という柱があって、他の生産物が作れるので、
米という柱がなくなったら、他も崩れてしまう。

遊佐には後継者がいるが、それは農業で生活できるから。
高齢者は離農していく。
50代の自分が若い方でいつまでたってもあんちゃんと呼ばれている。
規模集約していっているが、できなくなったときにはどうなるのか。
規模集約しても、機械と人件費はあまり減らない。
昔は規模を拡大していくのを想定していたが、
今は5年後がどうなるのかわからない。
国は30ヘクタール、東京ドーム10個分でするようにといっている。
単作がいいのか、複合いいのか。
どういう農業をしてくのか。
30町歩の農地を何人で守れるのか、それとも守らなくていいのか。
いろいろな形態の農業が出てくるだろうし、コストも減らしていくことも考えなくてはならない。

国の農業政策を信用していないから、
生活クラブと手を組んだわけなので、組合員にも責任があるといえる。
世界の半分は女性なので、女性ががんばれば世界は変わる。
自分の子どもたちが世界に頭を下げて食料をもらうような状況にはならないために、自分は続けている。


女の子榊田
遊you米と言っているが、ふつうは米は品種を言う。ブレンドしていてわかりにくくもあるので、遊you米の価値について語るには?

男の子菅原
地図を見てもらって分かるように、全部の生産者の米を一度に刈り取ることはできない。規模が大きくなった時に、単一品種では無理ということで、ブレンドしている。「どまんなか」は早稲で8割、「ひとめぼれ」は中。どまんなかは山形の品種だが、ひとめぼれは宮城の品種。

女の子榊田
米の収穫敵機は難しいと言われ、何日か違うと、全く変わってしまうと聞く。

男の子菅原
遊you米も次の品種にシフトしていく時期にあり、山形95号や、山形97号を考えている。95号はつや姫で、山形県から環境などいろいろしばりがあるので、共同開発米としては難しい。

女の子質問
なぜ品種を変えなくてははならないのか。

男の子菅原
一つの品種が同じ性質を保てるのが20年くらいで、品質の維持ができなくなるため。県で原種を取っておいても変わっていく。

今の主流は低アミロース米。アミロースとはタンパク質。
うるち米はアミロースとアミロペクチンからできていて、
アミロペクチン100%がもち米。ということは、コシヒカリのようにもち米に近いもの、米のカロリーが上がっている。

ただ、日本人はもち米を主食には選択しなかったので、
毎日食べることはできないのではないか。

遊佐では低アミロース米は好ましく思わないので、
ササニシキを残して、ササニシキを作り続けているベテランと、若者で作っている。
ササニシキは初期の生育がよいが、後半の病気と倒立しやすいことがあり、ササニシキが生き残るために肥料ゆざづくしができた。

男の子小野田
米は、中国雲南省からやってきて、陸稲と水稲、ジャポニカ米とインディカ米とあり、耐寒、病害虫に強い、機械化により倒立しないこと、おいしいなどさまざまな条件が付けられていった。
日本人は見た目と、食味にこだわるが、外国人は、香り米を好むように、まず、においをかいで、判断する。
離島でもない限り、どうしても品種は交配してしまう。

日本では、種の保存は最近になってやっと始まったのであまりない。
アメリカはほとんどの原種を持っている。
種苗店に行ってみればわかるが、売っているものはみんなF1、
ということは、種をとっても来年は同じものができない。
アメリカに胃袋だけでなく、心臓まで握られているともいえるので、
嗜好に合うだけではだめ。
品種改良も盛んだが、原種を大事にしてからのこと。

女の子質問)
たくさん食べるので価格が下がることはうれしいが、2011年産の米の価格を決めるのに、さらに下がるのはどうなのか。

男の子菅原
民主党の米所得補償制度で、生産者に補助金が来る。だいたい1俵につき、1500円の見込みで、このうちの1300円で生活クラブの米の価格を下げる仕組みになる。ただ補助金がなくなった時に、元の価格に戻せるのか、わからない。


女の子榊田
震災でTPPの動きが止まったように見えたが、11月にも動きが出るかもという噂があるが?

男の子小野田
一つ目、自由化のときに、国際的に通用する農家を作るために補助金が下りた。産直をしたり、道の駅で販売したりして、交流人口の拡大を図ったが、国際的に通用する農家にはならなかった。
個別補償方式で米価が下がり、みどり農協9000円で、国際は8000円。
すでに農産物は、国際価格になっているが、雇用や金融なども入って来る問題。
TPPを入れることによって、プラスになる金額もあるが、それをうわまわるマイナスの金額と、農民があぶれてしまうことになるかもしれない。

二つ目、今は日本に風評被害があるが、日本の農産物に対して、国際的には評価は高い。戦略として、日本の農産物を世界に売れる。

三つ目、農家と医者は過剰投資で、借金を親子で返さないとならない状況。
農家をするには、栽培方法の研究から、マーケティング、マネージメントなどあらゆることをしなければならず、これを一人でするのは無理。なので、集団的な地域農業をしていくことになる。これは消費者も含めて考えていくこと。

提案したいことは、物資の供給や避難先について災害時の協定を結んだらということ。人と人とのかかわりを大切にしたい。
豊かさを追い求め、豊かさイコール幸せと思ってきたが、幸せを壊す豊かさだった。先日放送されたブータンの取り組みでは、幸せを求めていて、幸せになるためには伝統、環境、絆を大切にしていた。鶴がくるために電柱を土中に埋めていた。
安心感を作り上げていくためには、一人では限界があり、みんなで知恵を出し合い、作っていきたいという話が出ている。

男の子菅原
これから起こるかもしれない関東の大震災を遊佐では想定して、
何ができるか話に出ている。
被害が出た時には、黙ってはいない。
おむつと水を持って、とりあえず、どこまで来られるのか。
なにもないときに、練習が必要だと思う。
緊急事態に、共同開発米基金は使うべきものだと思っている。
日本海側で3年以内に地震が来るとも言われているので、
その時には助けてほしい。
とにかく、すぐに駆けつけるのが遊佐だと思ってください。
絆を大切にしていきたい。

これからの米に関して、小野田さんと自分は、ちょっと考えが違い、小野田さんは、世界に米を売りたいと思っている。
自分は、世界に米を援助していきたいと思っている。飼料米の次は援助米。原発事故で、日本の米が敬遠されるだろうから、今は止まっているが、ゆくゆくは援助したいと考えている。
世界の飢餓人口8億人、餓死者は9600万人という現実がある中の、食料輸入が6割の日本。
田んぼを有効に活用できるのなら、世界でも日本でも構わない。米で支えていきたいので、支えていく方法を模索している。

女の子榊田
阪神淡路大震災の時にも、最初に駆け付けたのが、コープこうべとその提携生産者。自治体に備蓄米は用意されているが、そこには人はいない。コープこうべの人がやってくると、野菜も持ってくる、そこで炊き出しが始まる、道もわかっている。ハードだけではだめで、つながりと人が必要。



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